大阪で少林寺拳法 〜 金剛禅総本山少林寺 大阪高槻道院

社会に役立つ団体を目指して

Posted on 2010年01月07日

子供の笑顔
お年寄りの笑顔

去年の12月の話になるんですが、前に最新のお知らせでお伝えしたように、財団法人少林寺拳法連盟 大阪高槻道院が高槻市より感謝状をいただきました。

■高槻市よりいただいた感謝状■
高槻市からの感謝状

内容は月曜日の修練場所として利用させてもらっている、高槻市総合市民交流センターに「ジョイントマット」を寄付したことに対しての、感謝状になります。


■自分たちの備品を置くということは…■

なぜ高槻市にマットを寄付することになったのかという経緯をお話ししますと、
何年か前から演武の稽古をする際に、飛び受け身を安全に出来るマットがあるといいね、なんていう話があった。たしかにスポーツマットがあると、受け身の稽古を安全に行えるし、便利ではあると思った。

スポーツマットっていうのは一枚一枚は1m×1mのサイズでそこまで大きなものではないけれども、一枚では役に立たなくて、一人が受け身を十分に行える枚数は最低でも三枚は必要になる。

この三枚というのはあくまでも前受け身や後ろ受け身を前方に向かって「一人でやる」のに必要な枚数で、高段者が行うような剛柔一体の投げ技に対する飛び受け身の稽古をしようと思うと、最低でもその倍の六枚は必要になる。

六枚のスポーツマットとなると、重ねると10~12センチと結構な幅になる上に、立てかけて保管できるような用品ではないので、当然保管するには横向きに寝かせておかなくちゃいけない。

従来の稽古場所である高槻センター街ビルの倉庫にはスポーツマットを横向きに寝かせておけるようなスペースはないし、何よりも問題なのは、「自分たちの稽古のためだけに、それだけかさばるものを置く」ということに、ちょっと抵抗があった。

占有道場や、うちだけが借りきっている賃貸物件ならまだしも、間借りしている修練場所でしかもその倉庫は共有スペースだから、余計に悩ましかったってのはある(-ω-;)ウーン

この「自分たちのもの」という考え方がある限り、間借りしている修練場所にスポーツマットを置くなんて言うのは非常に難しくて、仮に無理をしてどこかの施設の倉庫にスポーツマットを置かせていただいたとしても、「なんだよ、少林寺だけでかいモン置きやがって」という問題は絶対に起こる。

というか、反対の立場だったらどうか考えてみよう。

もし、今使っている高槻センター街ビルの倉庫に、たとえば社交ダンスやストリートダンスの団体が、姿鏡のでかいのを何枚か置いて、棚や壁に置いていたとしよう。それがあるために、うちの使う胴や書籍を取り出すのに困難になっていたとしたら、うちはどう思うだろう?

「自分たちの備品」を置く言うことは、それだけ気を遣わなくてはいけないし、備品の形によっては、迷惑にしかならないのだ( ´・ω・)

■社会に役立つ団体を目指して■

それで、去年の九月から月曜日は高槻市総合市民交流センターの第六会議室を使わせていただいているわけですが、じゃあこちらの倉庫はどうかと言えば、私設である高槻センター街ビルと違って、高槻市総合市民交流センターは公設の施設だ。

つまり、ほかのあらゆる団体を含めて、そこを利用している団体の所有物を市の倉庫に置く、なんていうことはまずあり得ない話で、鎮魂行で行う打棒ですら置かせてもらうことは出来なくて、今は簡易の如意を毎回持参していっているのは、修練にきている皆さんはよく知っていることだと思う。

そもそも、高槻市総合市民交流センターは、本来はうちのような組織として活動している団体が利用するのは、×な施設でもある。

そこを無理を言って、何度も何度も何度も職員様とお話しをさせていただいて、ほかの武道団体やダンス教室のように、「営利を目的としている団体」ではないことをご理解いただいた上で、やっと今利用することが出来ているわけですね。

そーんな状況なのに、「自分たちの備品」であり、さらに「かさばるスポーツマット」を置かせてくれなんていうのを市にお願いするのは到底無理な話だし、上の方でも書いたけれども、「自分たちの都合」で迷惑になる備品を置くという事自体、基本的に僕はしないつもりでいる。

でも、ここでちょっと考え方を変えてみて欲しい。

そもそも、少林寺拳法は一体何を目指している団体なのだろうか?

鎮魂行で毎回声を出して言っているのは何だろうか?

— 愛民愛郷の精神に則り世界の平和と福祉に貢献せんことを期す

少林寺拳法は社会に役立てる人間を作る団体であって、自分たちの技術向上だけを目指す団体ではないのだ。

人づくりをまず行い、そして「平和と福祉」に貢献することをめざすのが少林寺拳法の目的で、これが出来ないなら少林寺拳法をやっている意味はないと思ってもいい。

その「社会貢献活動」を少林寺拳法の組織としておおっぴらにやろうというのが開祖デーの目的で、大阪高槻道院といえども、やっぱり「社会貢献」をなにかしないと、少林寺拳法の一組織としては何か欠けている気はする。

「自分たちの技術の向上」のために「自分たちの備品」を置かせてもらうというのには、ものすごく抵抗があるけれども、そうではなくて、
高槻市総合市民交流センターを利用する高槻市民の方々が、安全に楽しく運動教室や健康体操を行えるように、大阪高槻道院が「スポーツマット」を高槻市に寄付をするのであれば、僕は抵抗がない(^。^)

今回36枚という結構な枚数のジョイントマットを、大阪高槻道院として高槻市に寄付をしました。自分たちの修練のために使うのではなくて、施設を利用するほかの団体の方達が十分に活用していただける枚数として、この枚数となりました。

どんくらいの枚数かと言えば、定員130名の高槻市総合市民交流センターで二番目に大きい第六会議室の1/3を、ジョイントマットで埋められるぐらいの枚数になります。

想像してみてください—

このマットを利用して子供達が笑いながらでんぐり返しをしているところを。

このマットを利用して、お年寄りが冷たい床に座らずに手足の運動をしているところを。

職員の方はこう言いました。

「市の備品になると言うことは、むちゃくちゃな使い方されますよ? 盗る人もいる。壊す人もいる。それでもいいんですか?」

って。

僕はこう答えました。

「市民の方がこれを必要として使って、その結果として破れたり傷ついたりするのは、むしろ僕たちとして嬉しいです。寄付させていただいたマットが、それだけみなさんのお役にたっているということですから」

きっと、マットを使う人たちは市が購入したんだな、程度にしか思わないと思う。当たり前のようにそこにマットがあって、当たり前のように使う。

それでいいんです。使っていただくことが、我々の目的でもあるし、使っていただくことが「福祉」の役に立つんです。

汚れたマットを見て、「あぁ、よかった、みんなこれで楽しく施設を使っていただいているんだな」、そう思える団体でありたいと、僕は思います。

今回の感謝状は、高槻市にとってみても、大阪高槻道院にとってみても、両方が幸せになれる証だと思います(^。^)

このマットは、みなさんのお力で寄付することが出来ました。入門したてのまもない拳士の方達も、自分からすすんで寄付を申し出してくれました。本当に嬉しかったです。

少林寺拳法は、自分に強さを、そして人には優しさを求める団体です。今回のみなさんの行動は、少林寺拳法の拳士として大変立派だったとおもいます。

長々と書いて参りましたが、あらめて僕からみなさんに感謝の言葉を述べさせてください。

大阪高槻道院の拳士のみなさん、本当にありがとうございました!!

(北野)