大阪で少林寺拳法 〜 金剛禅総本山少林寺 大阪高槻道院

服装一つまともに出来ないスポーツ選手

Posted on 2010年02月12日

国母和宏

バンクーバーオリンピックが始まると言うことで、朝からどのテレビ局もオリンピック特集が花盛りっていう感じですよね。

特ダネでも、昨日の朝も今日の朝もひたすら出場選手の紹介や、過去にこんな活躍をしたから、今回も金を狙える!という感じの特集が組まれて、とにかく盛り上がってるテレビ局。

そんなお祭りムードに水を差したのが、
スノーボード・ハーフパイプ(HP)代表の国母和宏選手だ。

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服装の乱れで国母に注意=JOC、本人に自覚促す〔五輪・関連〕
(2010/02/11-11:12) 時事ドットコム
https://www.jiji.com/jc/c?g=spo_30&k=2010021100160

【バンクーバー時事】日本オリンピック委員会(JOC)は10日、バンクーバー五輪スノーボード・ハーフパイプ(HP)男子代表の国母和宏(21)=東海大=が成田空港から当地に移動した際、服装に乱れがあったとし、橋本聖子団長を通じ萩原文和監督に口頭で注意した。

国母は同日のHP代表の記者会見でこの件について聞かれ、「競技には影響ない。反省してまーす」と語尾を伸ばした言い方で返答。萩原監督は「本人の意識が足りなかった。非常に残念で申し訳ない」と謝罪した。

~~ 中略 ~~

国母は9日に成田空港から出発した際、選手団の正装である日の丸付きのジャケットを着ていたが、サングラスをかけ、ワイシャツのすそをベルトの外に出し、 スラックスは腰骨の下まで下げてはくなどしていた。移動にはコーチ3人も同行しており、JOCは指導力不足を指摘した。

この姿が報道されると全日本スキー連盟などに一部抗議があったという。 (2010/02/11-11:12)
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スノボ国母 服装をJOCが注意 選手村入村式は強制欠席
2010年2月12日 紙面から 中日スポーツ
https://www.chunichi.co.jp/chuspo/article/sports/news/CK2010021202000112.html

ハーフパイプ男子の国母和宏(21)=東海大=は当地への移動時の服装の乱れを日本オリンピック委員会(JOC)から厳重注意を受け、入村式を欠席させられた。また、JOCは選手団を預かる橋本団長も併せて厳重注意とした。服装の乱れから入村式会見出席を見送られたのは、前代未聞のこと。だが、当の本人に反省の色はあまり見えない。

本当に反省しているのか? そう疑われても仕方がない国母のふてぶてしさだった。

「それ(服装)について指摘されたんで、入村式は欠席しました。反省してま~す」。語尾を気だるく伸ばした軽いノリの言葉。入村式を強制的に”自粛”させられた後のスノーボード代表の記者会見での一幕だ。国母はラッパー風のマイクの握り方で肩ひじをつきながら語った。

JOCからの厳重注意プラス、前代未聞の”入村会見の強制欠席”。事の発端は9日のバンクーバー入りだった。代表選手団公式服装のシャツを腰から出し、締めるネクタイもルーズそのもの。既に成田空港出発時のテレビ映像を見た一般の人から、全日本スキー連盟に苦情が寄せられていた。表向きは「自粛」だが、萩原文和監督が国母と話し合いの場を持ち、「スキー連盟として自粛させた」。晴れの入村式の場に立つことは許されなかった。

~~ 中略 ~~

スノボチームはトリノ五輪で選手村の壁を撃破した”前科”がある。それ以後、萩原監督が陣頭に立って選手の言動や服装に至るまで生活態度を指導してきた。その努力は国母の醜態によって一瞬で、台なしになった。「男子の面々は言葉足らずの面がありまして、迷惑をおかけすることが多々あると思う。競技に専念させたいので、ご協力をお願いします」と報道陣に要請。

前回の汚名をそそぐはずのエースが完全に”ヒール扱い”。本番を前に、関係者も頭が痛いようだ。
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まー、この二つの記事を読む限りでは、よっぽどひどい服装と態度だったとしか思えない。

YouTubeにこの時の記者会見の様子を録画したものが流れていたようだけど、今見てみたらすでに削除されていた。まぁ、こゆバッシングの対象になるようなひどい会見は、多分また流れると思う(・・)(。。)

■スポーツ選手の服装は厳しい方がいいのか?■

今回は「服装の乱れ」が原因で起こったトラブルなわけですが、スポーツ選手にとっての服装というのは、どこまで重要なんだろうか、ということを考えてみた。

国母選手擁護派が言っていることとして、「スノーボードのウェアはこんなモンだから」というのがある。

うーむ、そういわれれば身も蓋もない( ̄▽ ̄;)

僕はストリートダンスをやっていたので、この擁護派の意見ってのがわからなくもない。

ストリートダンスってのは、服を着崩してわざとダボダボのスウェットやジャージをはいて、トップスもちょい派手なTシャツやロンTを着る。

髪型にいっては、本物のダンサーを目指している人ほど、国母選手のようなドレッドにしていたりするので、ファッションだけを見てみれば、ドレッドをしている方が、よりダンサーらしい格好という事になる。

■ドレッドヘア参考■
ソフトドレッド写真 – ミミエクステンション-
https://mimi-extension.com/photo.html

ドレッドがどうとか言う話だけじゃなくて、そもそもヒッポホップ(ダンス)をやっているのに、スポーツジャージに七三分け、なんていう衣装は、やっぱり場に合わない

ヒップホップやハウスなどのジャンルは、元々黒人ミュージックとして発展してきた文化があり、彼らの音楽に合わせて踊った踊りが、ヒップホップダンスやハウスダンスになる。

だから、少しでも彼らに近づきたい思いから、ヒップホップのミュージシャンもダンサーも、ああいったファッションを好んでするわけで、はじめから悪ぶって見せるとか、ああいう格好をしている方がカッコイイから、という目的でやるわけではないと思う。

少なくともストリートダンスという世界においては、ファッションはダンスの表現の一つであり、ダンスが多少下手くそでも衣装でよく見えたりすることもある。

ストリートダンスは文化の一つで、スポーツとは違うのかも知れないけれども、やってる内容やダンサー達の意識の中には、スポーツとしての側面があるのは間違いない。

さて、話を元に戻して国母選手の行動はどうだったかと言えば、スノーボードを国内でやってる分には、ああいったファッションや言動も、「スノーボードらしい」ということでかたがついたのかも知れない。

しかし、やっぱりオリンピックとなると、「日本の代表選手」として世界中のテレビで報道されるわけだし、日本のことをよく知らない世界の人は、オリンピックで映し出される選手の立ち振る舞いを見て、日本を感じるんだから、せめてオリンピックの間だけでも、品行方正であって欲しかったと、僕は思う( ´・ω・)

まして、自分たちが実力不足で予選で落選したからと言って、選手村の施設を破壊してしまうような行動は、スポーツマンとしてはあるまじき行動としか言いようがない。

■どんなときにでも品位は必要■

少林寺拳法に入会して最初に教えられる事は、「道場での心得」についてです。文字通り「道場」での立ち振る舞いについて教えるわけですが、例をあげてみると、

・履き物を揃える
・道場は綺麗に使う
・服装は他人が見て恥ずかしくない格好をする
・礼儀正しい言葉遣いをする
・髪型、爪なども清潔感のあるものにする

などを最初に教えるわけです。

少林寺拳法をやりはじめるということは、「自分を変えるぞ!」という思いで修行をはじめるのだから、履き物を揃えるのは、自分の足下からまず見直していこう、という禅家の思想に基づいているし、髪型・爪の話は視界を十分確保する、とか相手に怪我をさせないとか、そういった基本的な心遣いを教えているわけですよね。

この「道場での心得」として、修行を始める前の最初の最初の段階で、「言葉遣い」と「服装」についても注意するわけです。

少なくとも、目上や先輩に対しては丁寧な話し方をするべきだし、逆に自分が先輩になったからと言って、威圧的な言葉遣いや命令口調であれこれやらすのも間違っている、と教える。

少林寺拳法は、学校と違い常に先輩や先生が年上とは限らないんです。60代で入門したら、僕みたいに道院長がものすごく若い時もある。初段の拳士が中学生であるときもある。

そのときに、わしが年上やねんから、おまえの言うことなんか聞くか、といった態度で修行をするなら、何一つ得られるものはないと思うんです。

年齢や性別や職業の枠を超えて、人として「対等」につきあっていける人間性を身につけるのが、少林寺拳法の目的だし、その人間性を養うための準備体操として、「服装」と「言葉遣い」を最初に教えるわけですね。

どんなスポーツやその他の世界であったとしても、年齢や権威に卑屈になっちゃいけないんです。と同時に、成績や結果にあぐらかいてもいけないんです。

朝青龍のコラムでも書いたことですが、「品位・品性」というのは、人間性のあらわれなので、やはり他人から見て、「あぁ、あの人は素晴らしい人だね」と言われるような行動を日々心がけたいものです(-人-)

(北野)