新人こそが組織を強くする
四月に入ったと言うことで、学校では新入生が、会社では新入社員が入ってくる。今朝のTV番組では、色んな会社の入社式の様子を報道していたわけですが、リコール問題で叩かれまくったトヨタや、倒産したJALなんかがやっぱり目にとまった。
■2010年度の各社の入社式の挨拶■
倒産したJALの会長は、今は京セラの稲盛名誉会長がやっているわけですが、倒産した会社というだけあって稲盛会長の言葉も、
「このような状況下にもかかわらず、JALグループへの入社を決意いただき、大変心強く思っています。」
入社式とは思えないほど、腰の低さだ(・・)(。。)
トヨタの豊田社長の言葉の中にも、「私がトヨタを立て直す、ぐらいの強い気持ちをもってほしい」 というくだりがあり、どちらの社長にも
困難な時期だからこそ、新しい人の力を!
という思いが伝わってくる。
そんな入社式の報道の中で、今朝の特ダネでは世界の長者番付に名前が載ったGREEの田中社長の言葉も紹介していた。
GREEときくと、歴史が浅く、まぁ一般の人には何で儲けてるのかさっぱりわからない企業かも知れませんが、歴史が浅い分その中で働いている人たちの年齢も若く、JALやトヨタとは対局にいるような会社ではある。
だけども、世界の長者番付に名前が載ったという社長が、何を入社式で話すのかなぁとじっと聞いていると、なかなか良いことを言った(^。^)
正確な文言はちょっとわからないのですが、主旨としては、
新しい人が頑張れば組織に緊張感が生まれる
という事。
なるほど、と思った。確かにその通りで、組織は古くなればなるほど新しい人の意見なんていうのは押し殺されるもんで、GREEみたいな新しい組織だからこそ、入ってきたばかりの新人であっても、組織に影響を与えることが出来る。
■組織の敵は「無関心」と「停滞感」■
GREEの田中社長の言葉は、少林寺拳法の道院内部でも同じ事が言えて、何十年も同じ先生元で活動してくると、どうしても組織としての停滞感というか、古株の先輩達が多くいるので、新入会の拳士や三段ぐらいまでの比較的経験の浅い拳士は、教わる一辺倒になる。
実際、僕も少林寺拳法に入会してから二十年を超えているんですが、道院長になるまでは正直下の人を教えるという機会はほとんど無かった。
そのぐらい、大阪高槻道院の先輩拳士の層が厚く、ある意味では見習いから五段まで、ずっと自分の修練をすることが出来たのは幸せだったと思う。
だけれども、一方で新しく入ってきた人たちを、先輩として直接教える機会に恵まれなかったがために、その人達の成長を肌で感じることが出来ず、自分自身に「道院をもっとよくしたい」という危機感もなければ、後輩に追い抜かれる、という焦りもなかった。
つまり、頼りになるのは自分自身の意欲だけで、もしこの意欲が何かのきっかけで萎えてしまうと、そのまま少林寺拳法をやめてしまいかねない、状況だったんだなぁと、今思えばなんという薄氷の上を歩いていたというか、まぁ、そゆ感じで。
今はというと、今までのように、誰かが手取り足取り教えてくれるわけじゃないし、自分の新しい技の修練(といっても、六段の羅漢圧法まで全部やったので、新しい技術というのは無いですが)を出来るわけではないけれども、昔よりもさらに充実してるなぁと思うことが多い。
何故かと言えば、自分の代になってから入ってきた新しい拳士が道院の中心になっているというのが、やっぱり大きい(^。^)
彼らは、僕が常日頃言っている、「今日入会しても、明日先輩になるかも知れない」という事が念頭にあるので、昔のように教わりっぱなしで安穏としてはいられない。
実際、去年の10月入会の二人は、12月には先輩に。12月入会の拳士は、2月には先輩に。2月入会の拳士は、3月には先輩になった。
新しい拳士が増えるように一生懸命出来るだけのことはしているので、本当に「いつ先輩になるかわからない」という緊張感がある。
また、運が良いのか悪いのか、うちの今の拳士は、黒帯拳士が圧倒的に少ない。常時来てくれているのは僕を含めて二、三名しかいない。よその道院の拳士がマメに来てくれているので、助かっている部分も非常に大きい。
だからこそ、新しく入った拳士は、先輩が教えてくれるから、と気楽に考えずに、自分が教える、という意識で取り組んでもらっている。
この意識改革というか、入会したときからそれが当たり前になっていれば、自然と「自分の成長」と「他人の成長」の両方を感じることが出来る体質になっているし、同門拳士同士が、常に相手を変えながら修練をしているので、「あの人の事、よく知らない」なんていうことがない(^。^)
失敗したっていいじゃないか、入会してまもないんだし。
一人一人の技術レベルが2しかなくても、5人集まれば10になるやん?
足りないところを、出来る人が補えばそれでいいんです。
僕が少林寺拳法で大切だと思っているのは、「仲間との連帯感」と、「相手の成長は、自分の成長の裏返しである」ということ。
新入会の拳士が頑張れば頑張るほど、ちょっと上の先輩達にものすごい緊張感が生まれる。その先輩達の緊張感の高まりが、道院全体の原動力となって、熱意のある道院に変わると、僕は信じています。
白帯のみんなは、茶帯拳士を相手にするときは本気で攻撃していこう(=゚ω゚)ノ
茶帯拳士は、黒帯を相手にするときは、いつもの3倍の早さと半分の距離で攻撃していこう(=゚ω゚)ノ
攻撃が当たったっていいんです。それが、自分の成長だし、当てられた先輩はボヤボヤしてるんじゃないよヽ(`Д´)ノと道院長にドヤされるだけだから(笑)
攻撃を当てられてスネるような人間には育っちゃうときは、それは道院長の責任だから、当てちゃう事を気にせずに、どんどん先輩を追い抜くつもりで頑張ってください( ゚∀゚)o彡°
(北野)