第11回 バリューアップ -文章編-
さて、前回までのお話しで「サイト構造」の重要さと、サイトに載せる情報には二種類あることを書きました。
次は、「変わらない情報」の中でもどの先生方も同じ物を使用しなくてはいけない部分についてお話しさせていただこうかとおもいます。
今回と次回の二回で、本部が推進している「バリューアップ」と、ホームページ制作について書きます。まず、今回は「文章編」になります。
■バリューアップとは■
バリューアップとは、何年か前から本部が中心となって活動している、「少林寺拳法の付加価値を上げる」という活動の総称です。具体的には、
・少林寺拳法は統一された一つの組織であること
を確認し、少林寺拳法が誤解されないよう普及活動を行い、少林寺拳法の知的財産をみんなで守る活動、という事になります。
具体的な活動内容については、バリューアップの講習会を受講なさっている先生方は、すでにお手元にバリューアップガイドブックがあると思いますので、その中身をご確認いただくとわかりやすいと思います(^。^)
■ホームページを制作するにあたって■
ホームページを制作するにあたって、まず最初に決めなくてはいけない事柄は、「道院のサイト」なのか「道院のサイト」なのかを、はっきりと決めてください。この二つは厳密に区別され、載せるコンテンツも異なってきます。
僕は、前身は「大阪高槻道院」のホームページとして開設していた物を、今は「大阪高槻道院」のホームページに刷新しました。
その理由は、修練場所に公共施設を使うようになったため、金剛禅総本山少林寺が「公共施設を借りて活動している」という印象を、施設側に持って欲しくないという考えがありました。
また、「道院のサイト」と「道院のサイト」では、商標の使用許諾を申請する窓口が違います。窓口が違うと言うことは、お作りになられたサイトを審査する担当の方も違いますし、審査する基準も違います。
僕は、最初、金剛禅総本山少林寺(以下「本山」)の知財担当の方に大阪高槻道院のサイトを全部確認してもらった上で、修正した方がよい箇所を何カ所も修正しました。
ですが、「大阪高槻道院」のホームページとして開設する場合は、財団法人少林寺拳法連盟(以下「本部」)の方に商標の使用許諾申請を出してください、と言われ、一応の修正が終わった段階で本部に申請書を出しました。
すると、本部から「訂正して欲しい箇所がありますので、訂正してください」とお返事がきて、10カ所以上の修正するように言われました。
つまり、本山で問題がないと判断されたサイトであっても、本部から見ると問題がある箇所がいくつもあった、というわけです。
なので、先生方がこれからお作りになられるサイトが「道院のサイト」なのか、「道院のサイト」なのかまずはっきりと決めていただいたうえで、僕がそれぞれの担当者の方から注意された点を踏まえて、サイト作りをしていただくと、おそらく修正指示をされずに商標の使用許諾が得られるかと思います(^。^)
■用語は厳密に使い分ける■
まず、本山と本部とでは使用する用語が異なります。僕が今回修正を指示された箇所をあげると、
本山 | 本部 |
道院 | 道院 |
道院長 | 道院長 |
門下生 | 会員 |
あ・うん | 会報 |
信徒香資 | 会費 |
卍 | ソーエン |
本尊 | ソーエンのペナント |
入門式 | 入会式 |
新春法会 | 鏡開き |
上に示した例は僕が注意された点なので、もちろんこれ以外にもたくさん用語の違いがあると思います。
バリューアップの講習会で示された例のような「金剛禅総本山少林寺 大阪高槻道院」みたいな表現はダメ、とかいうわかりやすい事柄だけではなく、先生方がお書きになられる文章の中で上に例を示したような用語が混ざっていても×ということになります。
大阪高槻道院のサイトがまだ制作途中の段階で、「最新のお知らせ一覧」に「広報誌 あ・うん Vol.07が届きました!」という案内を掲示していました。
本山の担当の方にご確認いただいた際には、この「あ・うん」のお知らせについては指摘されませんでしたが、本部の担当の方にご確認いただいた際には、削除するように指示されました。
同じパターンで、「写真ギャラリー」に田邊先生が道院長時代に行われた「達磨祭」の写真を載せていました。これも本山の担当の方が見たときは指摘されませんでしたが、本部の担当の方からは、「ダーマの掛け軸と本尊が写っている写真は掲載しないでください」との指示がありました。
このように、先生方が公開するサイトが「道院」なのか「道院」なのかによって、掲載する文章や写真に厳密な区分けを求められます。
これは、例え「独り言」の中に記載している事柄であっても、修正を求められました。(例えば、昨年の11月に開催された道院長資格認定研修会を、道院長資格認定研修会と書き換えるように指示されました)
バリューアップに遵守するということが本山・本部の指示ですので、先生方もこの点についてはよくご理解の上、サイト作りを行っていただくほうが、後々にアレ直せコレ直せと言われずにすむかと思いますm(__)m
■少林寺拳法を紹介する文章は規定文のみ使用!■
道院のサイトであれ、道院のサイトであれ共通して掲載すると思われる事柄は、「少林寺拳法」という団体を紹介する事だと思います。
これについてですが、基本的に「バリューアップガイドブックのP63以降の文章をそのまま使用する」こと、が決まりになっているようです。
理由を本山の担当の方からお聞きしたんですが、
「道院長の先生方は確かに少林寺拳法の指導を何十年もやっていらっしゃるので、少林寺拳法の解釈も間違っていないと思います。ですが、先生によって表現が違うと、それを見た方によって解釈が違う事もあり、組織全体としてのとらえられ方が変わってしまうので、今はホームページを制作していただく際には、バリューアップガイドブックの規定文章を使用していただくようお願いしています。」
との事だそうです。
要は、拳禅一如や力愛不二の説明は、どの先生がお話ししても同じ「内容」の事をお話しするとは思うけれども、表現が違うと勘違いされる恐れがあるから、本山・本部では統一した文章を使用して欲しい、という事ですね。
なので、「少林寺拳法とは」という事柄を何かお書きになられるときは、必ずバリューアップガイドブックの規定文章をお使いください(=゚ω゚)ノ
同じ文章の短いバージョンが、公式ホームページの
少林寺拳法とは?
https://www.shorinjikempo.or.jp/about/index.html
に掲載されていますので、ここからそのままコピペしてもいいみたいです。
■技術の細かいコツなどは掲載しない!■
これも本山の担当の方からお聞きしたお話ですが、道院・道院のサイト上に「技術の細かいコツ」なんかを掲載しないで欲しい、との事です。
まぁ、確かに実際に手にとって口で説明しても伝わらないのに、文章だけで説明したんではなおのこと伝わらないだろうし、何よりも「みだりに技術を伝えない」という宗規・規則に反するから、ということだと思います(・・)(。。)
■じゃあ何を載せたらいいの?■
うーん、何を載せるかは先生方の個性なので決まりはないと思いますが、「少林寺拳法を紹介する」事に関して言えば、思っている以上に選択肢が狭まっています。
そりゃ、演武のビデオを載せるとか、大会のイメージビデオを載せる、とか、修練風景を写真を載せる、という方法はありだと思いますが、このあたりの「視覚に訴えるアピール大作戦」はそれなりに手間もかかりますよね。効果は絶大ですが(*_*)
なので、大阪高槻道院の場合ですが、とりあえず、
少林寺拳法の技術とは?
https://shorinji-takatsuki.jp/shorinji/gijutu/
という形で、おおざっぱに三法を紹介していますが、その文章の中には具体的な法形名やテクニックについては書いていません。横に添えてる写真を見て、「あー、蹴ったりするのね」とか、「あー、投げるのもやるのね」、みたいなのが伝わればいいかなぁという程度にしておきました。
ほかの武道団体のホームページもかなり色々みて研究しましたけど、どの団体も結構このあたりの事は苦労している感じはしましたね(*_*)
次回は、第12回 バリューアップ -商標ロゴ・写真編-です!
前回は、第10回 「変化しない情報」と「変化する情報」です!